運送業で働いてみたいと思っている方は、年収がどの程度なのか、興味があるのではないでしょうか?一言で運送業といっても、その働き方はさまざまで、それぞれ年収は異なります。
そこで今回の記事では、運送業の平均年収をトラックのサイズ別、男女別、事業規模別などで区別し、ご紹介します。
1. 運送業に含まれる業務内容
まず、運送業の働き方を整理しておきます。一般的に運送業は人や貨物を運ぶ仕事を指します。しかも単に運ぶだけでなく、荷物の積みおろしや保管・管理、そのほか運送に関わるサービスなど、業務内容は多岐に渡ることが特徴です。
人の輸送であれば、タクシー、バスといった車両を用いた運送から、鉄道、航空機、船舶を用いた輸送形態があります。貨物であれば、タクシーやバスの代わりにトラックやトレーラーなどが含まれます。
営業形態には、個人で行うものから企業が経営しているものまでありますが、認可を得ていることは同じです。今回の記事では、とくに貨物の運送を扱う運転手を中心に、年収事情を調べてみました。
2. 運送業の運転手の年収事情を公開します
運送業の年収は、厚生労働省が公表する賃金構造基本統計調査をみると分かります。最新版は2019年度のものです。
(出典:賃金構造基本統計調査 https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610)
今回は、賃金構造基本統計調査のデータから必要となる情報を抽出し、整理しました。
2-1. トラックのサイズ別平均年収
賃金構造基本統計調査では、営業用大型貨物自動車運転者、営業用普通・小型貨物自動車運転者で分けられています。給与は基本給に超過勤務などの諸手当を含めたものです。これをみると大型トラックの方が、年収が良いことが分かります。
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 35.2万円 | 32.9万円 | 455.6万円 |
普通・小型トラック | 31.6万円 | 40.5万円 | 419.4万円 |
なお、賃金構造基本統計調査には超過勤務時間に関する情報も記載されていますが、大型トラックは38時間、普通小型トラックは36時間になっていました。
2-2. 男女別平均年収
では、次に男女での年収の違いをご紹介します。
男性
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 35.4万円 | 33.1万円 | 457.4万円 |
普通・小型トラック | 31.8万円 | 41.2万円 | 422.6万円 |
女性
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 29.3万円 | 21.4万円 | 372.4万円 |
普通・小型トラック | 27.1万円 | 25.9万円 | 351.4万円 |
単純に比較すると、いずれも男性の方が高収入です。ちなみに賃金構造基本統計調査をみると、2018年度の女性運転手の年収は344.3万円でしたので、徐々に改善傾向にあるようです。
運送業界は、長らく男性の仕事と考えられていましたが、国土交通省の主導で、女性のトラックドライバーを増やす活動、「トラガール推進プロジェクト」が2014年より行われています。今後、ますます女性の参画を得るためには、給与面でのさらなる改善が必要となるでしょう。
2-3. 事業規模別平均年収
次に、事業規模別で平均年収を比較してみました。
従業員数:10~99人
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 34.9万円 | 24.4万円 | 442.8万円 |
普通・小型トラック | 29.5万円 | 19.4万円 | 373.5万円 |
従業員数:100~999人
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 35.4万円 | 38.3万円 | 467.8万円 |
普通・小型トラック | 31.3万円 | 29.3万円 | 404.9万円 |
従業員数:1000人以上
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 36.5万円 | 56.2万円 | 494.3万円 |
普通・小型トラック | 33.7万円 | 67.4万円 | 472.0万円 |
月収に大きな違いはありませんが、事業規模が大きくなるほど賞与が充実し、結果的に年収の大きな違いにつながっていることが分かります。
10~99人と1000人以上の企業で比較すると、大型トラックで50万円、普通・小型トラックで100万円もの違いが生まれていました。
2-4. 経営形態別平均年収
ここで、自家用貨物自動車、また人を運ぶタクシー運転手やバスの運転手の年収を比較してみました。
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
自家用貨物自動車 | 30.3万円 | 43.6万円 | 406.8万円 |
タクシー運転手 | 28.2万円 | 19.5万円 | 357.6万円 |
営業用バス運転手 | 33.2万円 | 68.3万円 | 466.3万円 |
こちらをみる限り、トラック運転手の年収が少ないわけではないことが分かります。
2-5. 年度別平均年収
最後に、年度別平均年収を比較してみます。2018年度と2019年度ではほぼ違いはありませんが、徐々に年収は増加していることが分かります。
2018年度
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 35.4万円 | 32.7万円 | 456.9万円 |
普通・小型トラック | 31.6万円 | 38.0万円 | 416.8万円 |
2017年度
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 35.3万円 | 32.7万円 | 454.0万円 |
普通・小型トラック | 31.7万円 | 38.0万円 | 414.6万円 |
2016年度
給与(月収) | 賞与 | 年収 | |
大型トラック | 34.9万円 | 29.0万円 | 447.3万円 |
普通・小型トラック | 30.9万円 | 29.1万円 | 399.3万円 |
一概には言えませんが、年収が増加しているということは職場環境や待遇面が大きく変化し、良化しているということの表れでもあるでしょう。以前に比べて、運送業で働く人の待遇は大きく改善している傾向にあるのです。
3. まとめ
運送業の年収について、さまざまな角度からみてみました。運送業は、多くの人々の生活を支え、そして人々をつなぐ仕事です。もし運送業に興味がお持ちであれば、ぜひ株式会社ラフテル(ラフテルグループ)までご相談ください。収入や職場環境についても常に考えている、私たちと一緒に働いてみませんか。